ぐちり

大学教育では「学士課程の教育の質の保証」なんていうことが文部科学省を中心に議論されている。文科省は、大学4年間を通して専門教育を受けた上で、それが何の役に立つのかを説明せよといっているらしい。
しかしながら、現状では大学3年生たちは教育実習で4週間、それに伴う事前指導や介護体験ということで、公然と授業に出てこられない。そしてそれが終わると、後期からは就職活動が始まり、ゼミナールや授業を休むようになってくる。就職が決まったら卒論を頑張ります、なんていう学生も居るが、実際には、卒業後に別業種にいく学生の多くがさほど頑張るはずも無いだろう。
卒業後の就職が大学の教育力を表す指標に成ってきているので、これまでこの場ではあまり言及してこなかったけれど、こんな状況で果たして教育の質の保証なんて出来るのだろうかと、大学教育の現場にいて疑問を感じてします。
大学教育のことを全く無視して平日にセミナーなどが展開されたり、就職活動している学生に対して、明日面接を実施するなどという電話が入ってくるため、学生と約束をしていてもドタキャンされることがあったりする。今は不景気ということも有り、買い手(つまり企業側)市場となっているために、大学側も就職させてもらえなければ困るので、直接はクレームしていないけれど、このままではまずい気がする。なぜなら、大学生として半分をすぎたくらいから就職活動に忙しくなり大学教育を受けられていないのだから。