新型ビデオカメラ レポート

ビクターからこの春に発売となった HDハイブリッドカメラGC-PX1 をスポーツシーンの撮影に使用してみました。 これまで主役として使用してきた カシオのEX-F1と同様,毎秒300コマのハイスピードでSD(HDではない)撮影することができることが売りのこのカメラ,EX-F1と比べて優れる機能の一つに,ハイスピード撮影している際にもズームの変更が可能であるという点がある。このことは,競技場などで移動するアスリートを撮影する際には非常に便利である。さらに,本体の大きさと重量がEX-F1よりも小さくて軽いために,持ち運びや長時間の手持ち撮影では便利である。また,本体メモリとして32GBのメモリーが内蔵され,このメモリの大きさまで連続で撮影することができ,さらにSDカードスロットを備えているために,かなりの映像を記録することができる点も評価できる。
一方,EX-F1にはかなわない点もかなりあることが分かる。まずは撮影サイズ(フレームサイズ)が300fps(毎秒300コマ)に限定されること。これにより,ゴルフなどの撮影でインパクト瞬間のシーンを捉えるなどの撮影は困難となる。そして,EX-F1の最大のメリットであるPCでの制御は残念ながら,GC-PX1には備わっていない。ただ,これについてはEX-F1の場合も発売直後には対応されておらず,後に備わった機能であるため,今後に期待する機能である。また,EX-F1の場合,動画のファイル形式はMOVだったのに対して,GC-PX1の場合はMP4であり,いずれのフォーマットもQuick Time での再生が可能である。
これらのカメラは,いずれも一般ユーザー向けのものであり,私たちのようにマニアックな使い方をするユーザー向けではないのであると思うが,実際に使ってみると必要最低限の機能は備わっているために,多くの場合,これで十分であると感じる。数年前までは,これと同様あるいはこれ以下の機能の製品が数百万円で販売されていたのだが,EX-F1GC-PX1ともに10万円以下の価格で購入することが可能である。これら二つの機種による更なる価格競争もあればと期待するのは私だけだろうか?