リハビリ

朝,息子を保育園へ送り別れる時に息子の顔が非常に悲しそうである.昨日,妻が送っていった際に別れを惜しみ泣き,悲しみのあまり昼の給食も殆ど食べることが出来なかったそうである.お盆休みの帰省に伴い数日間ずっと父母と過ごしてしまったために,再び保育園生活に戻るのは3歳児には少々ヘビーなのかもしれない.徐々に慣れていくしかない,リハビリが必要である.
リハビリといえば私の仕事もしかりである.大学が夏休み期間中であるのに加えて帰省中は全く仕事から離れてみたために,何が仕事であるかも忘れてしまっている感じである.こんな日に出勤しても,どうせ学生の質問や相談で終わってしまい何もすることが出来ないであろうから,急遽予定を変更して自宅にて「仕事」することにした.自宅にいると光熱費はかかるものの,仕事をディスターブされるようなこともないし,光熱費と大学まで行くガソリン代を比較すれば相殺されるであろうから,結果的には自宅で仕事をしていた方がいいのかもしれない.特に今回のようにリハビリが必要な時期には人の悩みを聞いてあげたり,学生の質問に親切に答えてあげている余裕はないわけである.
大学教員は,授業と会議にさえ出ていれば,何処で活動していてもさほど構わない職業である(もちろん,その分,成果は問われるはずであるが...).従って今回のような時には非常に好都合である(我が大学には原則週4日出勤とうルールがあるが...).そういえば,以前は小・中・高の教員は夏・冬・春の長期休業中は自宅研修期間という扱いだったために夏休み付きの職業などと言われていたが,これは実は公務員は週休2日制であるにもかかわらず教員は土曜日も出勤であるために,その分の休日を長期休業中に振り替えていただけの話である.
ところが数年前から学校も週休2日制を導入したため,最近の先生方は長期休業中も出勤しなくてはならないそうである.それを聞いた時から,生徒の来ない学校で彼らは何をしているのだろうかと思っていたのだが,今日の昼間に近所の小学校の前を通ったら,先生方総出で草取りをしていた.それを見て,正直言って,これって教育職員の仕事なのかなぁ?と思った.もちろん生徒の安全維持や教場作りという観点から言えば教育職員の仕事なのかもしれないが,税金から高い給与を支払っているのだから,もっと教育技法を高めるとか,知識を高めるとかそういう仕事をさせたほうがいいのではないのかというのが本音である.肯定の草取りは誰でも出来る仕事である.高いお金を支払って大学を卒業して教員免許を取得し,超難関の採用試験に合格した人たちにはもっと教育・教員の質を高める仕事をしてもらいたいというのが,子を持つ親の本音である.
ところで,私のリハビリの内容はといえば,連休に入る前に送られてきた学会誌をじっくりと読んでみることにした.最近は学会誌が送られてきても,目次に目を通し,興味あるタイトルの論文や知り合いの書いた論文を斜め読みするだけである.しかしながら,今回のようにじっくりと読むと,最新号の学会誌はその学会の最新の情報であるはずだから,最近のトピックスが何かとか何処の研究室が何を頑張っているかを知ることが出来る.学会大会に参加したときも同様であるが,最新号を読むと,ちょっとは研究しようという気持ちもわいてくるようだ.こういう気持ちの変化こそがまさにリハビリの効果なのかも知れない.