復帰

夏休みも終わり,いよいよ仕事らしい仕事が始まった.順天堂大学で開催された陸上競技の順大記録会において,ゼミ生の小山くんの激走を撮影した.撮影したといっても実際にやったのはウチのゼミ生達.机上で色々話し合うよりも実際にやってみるのが一番である.上級生は久々の測定で色々と思い出し,下級生は文献で簡単に書いてある実験に戸惑っていたようである.私の指導方針は,あまり手取り足取りでは教えずに,「やってみて失敗してみて覚えなさい」というものである.まさにトライ&エラーである.私もそうやって覚えてきた.マニュアル通りにやるよりも,失敗して考えながらやることにより,オリジナルの方法も思いつくわけである.まぁ,見方によっては指導していないようにも見えるのだが.
そもそも今回の撮影は突発的に計画された.ゼミ合宿へ行くクルマの中で,彼と陸上の話をしていたのだが,かねてから私と彼の間で話しているスピードの足りなさが話題だった.彼自身,スピードが無いのはわかっているし,動きの修正を監督から受けている.自分でも修正しているつもりだが,実際に映像を見てみると動きに違いは見られないというのが概要.ここまで垂直跳びの実験しか経験がなく,課題の解析も途中の彼だったが,良い機会だったのでゼミ合宿から帰った日に,実際に撮影して,自分の走りを解析してみることを示唆して見た.ゼミ合宿で早大生達から刺激を受けたばかりだったので勢いもあったのだろうが,そのまま受け入れてくれたために今日の運びとなった.迷わず実験すると言うのは,この分野にとってはとても良いことだ.私の恩師はこれ(とにかくやってみるということ)が大好きだ.
残念なことに,ゼミ生12名に呼びかけたにも関わらず,実際に集まったのは小山くんを含めて3名だけだった.ゼミに入るときにあれだけチームワークが重要だということを伝えたし,研究はギブ&テイクだと言ったのに.卒論を手伝ってもらいたいと言っていた盗塁王(走塁実験をしたいという学生)もこういう時に手伝わなくては,相手も手伝ってくれないんだよ....
まぁ,なんだかんだ言っても,集まったやる気に溢れる学生により,実験は無事に終了した.しかし,昨日は涼しかったので秋到来かと思ったのだが,今日は一転して真夏の天気であった.この暑い中,選手も指導者もそして研究者もぐったりである.



写真はカメラを設置する学生と力走する小山くん