手作り

後期木曜日は唯一,授業の無い曜日なので,基本的には一日中研究に時間を割くことが出来る曜日です.ということで,色々と手をつけて見た.まずは前任の先生から引き継いで研究室に眠っているセンサー類やアンプ類を使って見たりした.電気工事やのようなことをしているわけである.前任の先生は工学が専門で,センサー類が得意だったらしい.私は教育学部出身なので,これらのセンサーは使うのが専門なのだが,これらのセンサーは上手く使うこなすことが出来れば,もの凄く役に立つが,使いこなせなかったらタダのゴミとなるだろう.実際に,実験室の隅のほうを占拠していたこれらに対して,何故あんなゴミを取っておくのかといった趣旨の言葉を放つ学生もいたわけだ.したがって,今日一緒にやってくれていた学生は,きっとスポーツ科学とこれが何の関係があるのだろうかと思ったに違いない.私もかつてはそうだった.色々と接続を試して見たりして,力センサーの力を測定することが出来るようになった時には,喜びを感じるものだ.裕福な研究室にいると,今時こんなもので工作する必要はないと思っていたが,やはり現在のように予算のない研究室ではこの手の知識と作業がフル活用というわけだ.
実習室にあるCybexIIを動かして見た.トルクは出力されるのだが,ポジションが出力されないことが判明した.少々がっかりしたが,逆でなかったことが不幸中の幸いである.これも何と頑張って使えるようにしよう.しかし,管理者の某助教授とこれについて話をしていたら,既に30年前の品だということを聞いて,改めて時代を感じた.私が現役時代には普通に使っていたものだったが,それでもあれから10年は経っているわけだ.今時の学生には,この価値は伝わらないだろう.それって学生達が私の研究室に飾ってある Macintosh SE30 の価値を分からずに,なぜこんなものを置いているのかを尋ねたり,これがコンピュータであるこをを聞いて驚いたりしているのと同じレベルだろう.しかし,ポスドクのSさんは私と同じ歳だけあってちゃんと分かっていた,これの価値を.