順天堂大学陸上競技部は今年度の全日本インカレと関東インカレに優勝した.全日本の制覇は24度目,関東の制覇は15度目だそうだ.そして今夜,その優勝祝賀会が開催された.私は順天堂大学の教員であるし,日本陸連の科学委員でもあるので,その祝賀会に出席した.
祝賀会には大学の教職員の他に,大勢のOBやOG,そのた陸上関係者が出席していたのだが,私はOBとOGには殆ど面識が無いので,会場で話をするのは専ら教職員の方々とであった.そんな話の最中に,某職員の方から私もOBかという質問が為された.そうか,そんな風に思われていたのか..... 否定してその方に同じ質問を返してみると,やはり否定し,その後の話で東大であることが判明した.そして私も大学院は東大だったという話から,東大ネタの話になった.意外な展開であった.
ところで私も大学時代は陸上部員であり,そして実は主将であった.とはいえ,私が卒業した埼玉大学は万年2部校であり,その2部校ですら優勝できないような大学だった.しかも,部員数も順天堂大学の半分以下.今日の祝賀会で来賓や部長の挨拶を聞いていて思ったのは,メンバーのインカレへの思い入れが私の居た陸上部とはかなり違うということだった.陸上ってのは基本的には個人種目なので,参加する選手はついつい自分本位になりがちである.ところが,順天堂大学ってのは,対校戦に優勝することに拘り続けてきたわけである.そりゃ,敵わないは....  そう,大事なのは拘り.拘らなくては大きな成功は得られないし,方向性も定まらない.これは何も陸上や部活だけではなくて,研究活動や研究室運営にもいえる事だろう.
祝賀会の最後には参加者全員で円陣を組んで,そして肩を組んで校歌を歌ったのだが,私にはコレがどうも馴染まない.別に順天堂大に限ったことではなくて,早大に居た4年間も,このような機会で都の西北を歌ったことがない.あの頃は自分は契約教員だから,この大学には帰属しないという意識が有るのかな?なんて思っていたのだが,順天堂大学に専任教員として来た今でも思いは変わらないというところを見ると,どうもそういう問題でもないらしい.原因がアイデンティティの問題なのかどうかは判らないし,順天堂大学が嫌いとかじゃなくて,やはり馴染まないのである.やはりアイデンティティの問題なのだろうか.かといって,母校の埼玉大学のときにもこういうことをやる習慣も無かったし経験もなかった.なんだか,よく判らぬが.....  同じく非OBOGで出席していたダンスの先生からは,「こういうときは柔軟に」という声をかけられた次第である.とはいえ,退職した今になって,たまに,無意識に都の西北が口から出てきたりする.何度も聞かされたからだろうか.
2次会というのだろうか,帰りに普段交遊のない研究室の先生方に誘われたので行ってみた.2年間,殆ど話をしなかったのだが,話をしてみると,なかなかモノの判る先生だし,いい事をいう人だと感じた.やはり接して見なくては人は判らない.