クラス会

ちょっと前に誘いを受けた高校時代の恩師の退官記念パーティーに参加してきた.私は高校のクラスの友人とは卒業以来ほとんど付き合いがなかった為,実に15年ぶりの再会となる人たちが多く居たため,まさに浦島太郎のような気分であった.15年も経つと男性も女性もそれなりに年をとるものだ.一方,15年ぶりに会った先生は,昔とあまり変わりなかった.別に昔から老けていたというわけではなく,とても60歳には見えなかった.ところで私のクラスには,教員になっている人が結構居て,しかも大学教員になっている人も何人かいたりした.
私が高校時代の友人と付き合いが無かったのは,彼らと会いづらいような理由があったからではなくて,その後の私の人生が充実していたために,過去を振り返っている暇など無かったからである(と思う.)実際に,大学時代も大学院時代も,そして就職してからも,私は「今」を必死に生きていたし,それなりに充実していた.今の環境が充実している人ってのはそんなものだと思う.一方,学生指導をする立場に居ると,ゼミナールやクラブで上手くいっていない学生に限ってよく高校に顔を出す傾向があるように思われる.このような学生は,高校時代には活躍したり,恩師に大事にしてもらった経験があるようで,私との会話の端々に高校の話が登場する.そしてちょくちょく高校に顔を出す学生に対して私は言いたい,過去を頻繁に振り返っている暇があったら今を生きよ,そして今の悪い状況を脱却し活躍してから母校を凱旋せよ,と.
かく言う私も,この15年間はいい事ばかりでは無かったのだが,久々に恩師や友人と会ったときには,昔話に花を咲かせたり,今の自分の状況を胸をはって話したりできるわけで,結果的にはよかったのだろうと思っている.