あの日航ジャンボ機の事故から21年目が経過した.毎年夏が来るとつい最近のことの様に思い出すのだが,とはいえ21年とは決して短い時間ではなかろう.しかし,遺族の方々にしてみれば,時間はあの日から経過していないのだということが報道を通じて伝わってくる.私は当時,中学1年生であった.夏休み中ということもあり,あの夜からは当分の間,テレビも新聞もあの事故を伝えていたこともあり,多くの情報が頭に入ってきたことも,私がつい最近のことと錯覚する原因なのかもしれない.奇跡的に生き残った子の一人が私と同い年だったことも記憶を留めた理由かもしれない.私が34歳になるのと同様に,彼女ももう34歳になるわけで,もしかしたら彼女も親として子育てをしているのかもしれないなぁ....,などと帰省ラッシュの渋滞中に車内のテレビで伝えられてくるあの事故のニュースやワイドショーをみながら色々と考えていた.
午後に大学に到着して,ゼミの学生たちともあの事故の話になったのだが,大学3年生の彼らが生まれた年にあの事故は起こったために,実は彼らはあの事故のことはさほどよく知らず,親から伝え聞くだけであることを知った.月日が経過するということはこういうことなのかと実感し,21年間という時間の長さを改めて感じたのであった.
ところで,私はあと31年で今の勤務先を定年退職する予定である.もちろんそれまで勤務していればの話であるが.31年なんて気が遠くなるほど先の話と思っていたが,よくよく考えてみると,実はすぐ先の話なのかもしれない.