慌しくて濃い一週間があっという間に過ぎて,更新の無い一週間が経過してしまった.
この一週間,埼玉県の中学や高校へ教育実習校の訪問に行っていた.正直言って私はこの仕事が大嫌いだ.というのも,実際に訪問したとしてもどのような対応をして,何をしていいのかがイマイチつかみ切れていない気がするからだ.しかも,学校によって,歓迎してくれているところもあれば,しょうがなく対応してくれているところなど様々であり,この辺りから対応が難しい.しかも全く知らない学生の所に行き,教育がなっていないとクレームされることも珍しくなく,何で私がこんなことを言われねばならないのか,と思ってしまうこともある.これらの意見を大学に持ち帰って,今後の教育実習に繁栄されればよいのだが,3年目になっても変化がないところを見ると,反映はされないようだ.
そんな仕事もイヤイヤやっても相手に失礼だし,自分自身にとっても無意味で時間の無駄になってしまうので,私の場合はなるべく教育実習生の研究授業の時を狙って訪問し,研究授業を見学して研究協議会に出席して現場の先生方との意見交換をさせてもらうことにしている.というのも,私の場合,大学以外での学校教育現場での指導経験は無いために,このような機会は非常に勉強になり,しかも学校現場の「今」を教室で見ることができるからである.そしてこの仕事,時間とエネルギーを非常に使うものの,一方で,さまざまな学校を訪問することが出来るというメリットもある.都立高校普通科でしかもスポーツに力を入れていない学校を卒業した私にとっては,私立高校でスポーツに力を入れている高校の施設は驚きに値するものであり,時には現在の勤務校であり,いわゆる体育系大学の順天堂大学早稲田大学よりも凄い施設を持つところもあったりする.そして,スポーツ科や体育科の高校を訪問して,施設のみならずカリキュラムについても話を聞いたり,先生方と意見を交わすことができるときには,現在の仕事や研究に少なからずプラスになることがあるものだ.とはいえ,一週間にほぼ毎日のように授業や会議があるので,なかなかゆっくりと気を休めて見学するわけにもいかないのだが.
 このような教育業務は教育実習校訪問に限らず意外と多い.これに加えて会議も多々あり,昼休みや放課後はこれらに時間を奪われる.一方で,大学からは研究成果を求められるのだが,なかなか落ち着いて論文を読んだり書いたりする時間などは作ることが出来ないのである.落ち着いて書く時間がないなら,ちょっとした時間にやればよいのだが,私の性格上,そのような器用なことは出来ないのである.研究室の隣には新しい研究棟も立ってしまったので,そろそろ研究業務に集中したいのだが,なかなかそうはさせてもらえないようだ.
 先日,前任校の助手が,早く博士の学位をとって教員として再就職して落ち着きたいなどということを口にしていたのだが,専任教員になったらなったで将来を心配する必要がない一方で,こういった仕事が山のようにあり,結局,研究に集中することができるのは博士の学位をとるまでのような気がする.