机上でも経験,実験は経験

私の研究室では今週から早朝8時より抄読会を開催することとなった.これは私が指示したのではなく,学生らの意思により始まったものだ.実は私の研究室では,これまで実験を重視してきたために,論文を読んで抄録を作るという教育はしてこなかった.一昨年までは逆に,正課としてのゼミの時間を抄読会の時間にしていたために,論文は読んでいる割に,データ処理や実験そのものに疎い学生が多かった.そのため,現在のようなスタイルをとったのだが,やはり,論文を作成していく過程では,論文を読むことは必要なため,学生らも必要に迫られたのだと思われる.っで,学生の作成した抄録をみてみると,実に勉強不足であることが露呈された.そもそも教育していないのだから,出来ないのは当たり前といえば当たり前なのだが,それにしても出来なすぎた.これは全て私の教育不足である.トレーニングの原理原則に全面性というのがあるが,まさに,どちらにも偏ること無くトレーニングすることが重要なのだろう.
抄読会が終了した9時からは,卒論生の橘くんの実験が行われた.これまで取り組みが少なくて遅れがちだった彼も,ここに来て実験を重ねてきたために,さすがに今日の映像はなかなかいいものが撮影できたのではないだろうか.やはり実験も経験が必要だ.他の研究室では実験の下準備や実験の練習をせずにいきなり本番をやる学生もいるようだが,これでは得られたデータは分析に値しなかったり,仮説とは全くことなる結果となったりしても仕方ないだろう.実験のためには,機材の手入れや機器の使用方法の練習,実験練習を繰り返して初めていいデータがとれるわけであり,私の研究室ではこれをかなり重視しているわけである.