研究室では,学生たちによって,卒業論文修士論文へ向けての追い込みともいうべき実験や解析が行われている.準備を早目から行ってきた学生は割りと余裕の表情だったり,そして就職活動や単なるサボタージュによって出遅れた学生は焦りの表情で取り組んでいたりする.
そんな中,何人かの学生は出遅れたのではなくて,乗り遅れた状態で,全く進んでいない(というか始まっていない)状況にあったりもする.そうすると,割と順調な学生や後輩は心配して,○○さん大丈夫ですかね?何とかならないですかね?ということを私に言ってくることもあるわけです.さすがは,日頃からチームワークを強調して指導されているだけある.....
そして,皮肉なことに,今は遅れを取っている学生が,実は今は自分のことは出来ていないけれど,過去には他の学生の手伝いは頻繁にしていたりするのある.従って,自分が手伝ってもらった学生にしてみたら気が気じゃないのかもしれません.
しかし,こういう遅れをとっている学生について,私が現時点で手心を加えたり,「自分の課題は出来ていないけれど,他の学生のは良く手伝ったから,じゃぁ自分の論文は書けなくもてもいいよ」という言葉をかけるのはちょっと違うよね.
これまで高いハードルで頑張ってきた学生もいるわけだから,私の立場でそのハードルは決して下げない.そして決して私が代わりにやってあげたりはしないつもりです.指導教員は指導も義務だけれど,提出された論文を審査する立場でもあるわけだから,自分が代わりに作成した論文を審査するわけにもいかないしね.
これまでチームワークを強調してきたわけですから,私がこの状況で研究室の学生諸君にかけてあげる言葉は,“自分も手伝ってもらったり世話になり,それで心配するのであれば,今度は自分が手伝ってあげれば良いじゃない.”ということです.