学会エントリ

先週末に某学会のエントリー締め切りがあった.私の研究室からはエントリ予定者が,私も含めて9名にものぼっていた.例のごとく,学生達が頑張って締め切りギリギリに抄録の添削を依頼して来た訳だ.折角作文してくれたので,ちゃんと添削して返したいのはヤマヤマなのだが,人数も多いので一筋縄では行かない.
そもそも,500文字程度の抄録なんてものは,それを読んだだけだと,何をやったのかとか,何が明らかになったのかとかについて詳細は知る事ができないのが普通である.それだから,添削する方としてもなかなかの困難がある.
添削を依頼してくる学生は大きく3つのパタンに分ける事ができる.
パタン1:日頃のゼミにおいてデータ分析結果の図を示しており,私が抄録を読むときには,頭の中にその図が浮かぶ者.この場合には添削をしやすい.
パタン2:何度かはゼミでプレゼンしているものの,最終的な形(Result)として図を示すことがで出来なかった者. そういう学生でも気の利く者は,抄録とともに図のファイルを添付してきたりする.これもまた添削する者を気遣った行為である,メールは重くなるけれどね.

これらの2パタンの場合には,文章は何を言いたいのかが理解できなくても,言わんとすることは図から読み取れるので,添削が可能である.もっとも添削者泣かせなのは次のパタン3.

パタン3:Resultを示す事も無く,抄録だけ送ってくる者,だいたい文章だけをみても何を言いたいのかは分からなかったりする.はっきり言って,今回のエントリは見送った方がいいんじゃないの?と思うわけだ.

で,添削して返す順番は,必ずしもメールをくれた順番では無かったりする.ここでも優先順位をつけるわけだが,その際には学年や研究のテーマ,全治何分を要するかといったことが順位を決定する.つまり,絶対に今回の学会で発表したいテーマであるか?(学会の趣旨にあったテーマか?),上級生で業績が就職や研究費,研究員への応募に関わるか? そして添削するのに多くの時間を要する為に,これに関わっていると他の学生の添削ができなくならないか?ということが決定因子となるわけだ.