守秘義務

共同研究など,学外の方との仕事をしていると守秘義務を伴うことが多々あります.そのような状況にある時には,ちょっとしたことを書くのにも気を使います.とうことでこのブログの連載も滞るということにしていてください.

そうそう,守秘義務と言えばちょっとした失敗をやらかしました.実験を行っていると被験者をしてくださる方の個人情報をかなり知ることになります.今度,ある学校の多くの生徒さんたちに被験者をして貰うことになったのですが,実験では運動をさせるということで傷害保険に加入することになりました.事前に配布して回収した同意書では,このことを記載していなかったので,被験者予定の方々一件ずつに電話して,保護者の方に保険に加入するのにあたり手続きを委任して頂く事,それに伴い個人情報を保険会社に流す事になることの同意を頂く事になりました.しかも,(不要な個人情報はやりとりしないのが倫理上の原則なので)同意書には住所を記載して貰わなかったのですが,保険の手続きには必要なために,電話で聞かなくてはなりません.かなりの人数なので大変な作業なのですが,電話をしていくと,ある保護者の方から電話で住所を伝えるのは嫌だという意見を頂きました.しかも,その方からは,「今から学校に連絡をして,このような電話がまわります....という連絡網をまわしてもらったらどうか?」との提案を頂きました.その方とは,「でも私の実験と小学校とは直接的には無関係であるし,全ての生徒さんに関係のあることでもないので,それで連絡網をまわすのもどうかと思う」という意見を交わし,結局のところ,その方が私の勤務校の代表番号に電話をして,そこから私につないでもらい,私が本当に私であることを証明するということになりました.
今の世の中,個人情報保護法の関係で,生徒や学生の個人情報の守秘義務は当然のことなのですが,私のような職業の者には,何とも複雑な時代になった訳であります.