旅立ちの季節

この季節、卒業の決まった学生さんたちが研究室に挨拶に来てくれます。私の研究室に所属していた学生さんたちは勿論ですが、それ以外の学生さんでも気の利いた子はちゃんと挨拶にきてくれたりします。なかには私の骨折を気遣って、カルシウム(Ca)入りを唱った品を持ってきてくれたりして。あいにく実験中だったりして、ゆっくりと対応してあげることが出来なかったりするんだけれど、こうして訪問してくれると、内心はジーンと来たりする。
大学に勤務していると、季節の度に便りをくれる特別支援学校の先生や、年賀状だけはちゃんとくれる中学校の先生、花粉症やインフルエンザの様に季節の度に研究室を訪問してくれる他大学の大学院生がいたりする。これって凄く嬉しいものだ。でもね、こういう子達ばかりじゃないんだな。卒業するとすっかり音信不通の子、結局、何処に就職したのかもよく分からない人もいるわけ。それぞれ、大学や研究室での思いが違ったのかもしれないけれどね。特に私が勤務数する体育系学部の学生さんの多くは、研究室は単に卒業論文を書く所で、自分のアイデンティティはクラブ(部活)にあることが大半なわけ。それはそれで仕方ない。
私たち教員は、学生さんが卒業してしまえば、殆ど何の力にもなってあげられないけれど、それでも就職・転職の挨拶状が届いたり、訪問してくれると嬉しいものだ。卒論の指導なんかで険悪な仲になってしまったことなんて忘れてしまうものだね。