修士論文発表会

今日は勤務先の大学の修士論文発表会でした。最終審査を兼ねているため、私も韓国から一時帰国して出席しました。私の所属するスポーツ科学領域からは37名の大学院生が発表を行いました。色々と興味のある演題も合ったのですが、その中の一つに、伸膝前転をテーマにしたものがありましたので紹介したいと思います。
調査によると、学校体育の現場で最も指導が難しくて、生徒も苦手にしている種目の一つに伸膝前転があるそうです。そして伸膝前転を習得するための練習方法に、ちょっと厚めのマットを挟んで行う方法、助走して勢いをつけて行う方法、そして傾斜したマットを使って行う方法の3種類があげられるそうです。これらの3つの方法を女子大学生に行わせて3週間の練習を行ったところ、いずれの方法でも習得は出来なかったそうです。
いずれの方法でも効果が見られなかった理由としては、それぞれの効果を女子大生たちに伝えていなかったことが理由であると思われます。それぞれの練習器具は、厚めのマットは着手を早くするのが目的、助走は前転の初期にスピードを高めるのが目的、そして、傾斜マットは回転の後期にスピードを高めるのが目的であると考えられます。しかしながら、練習用具を用いても、それぞれの狙いを伝えなくては必要な動作は習得されず、効果はえられなかったわけです。このことは、私が関わっている子ども用運動靴についても言えることだと思います。例えば、靴のソールに滑り止めを狙っポイントを配置したとしても、それを生かすためにコーナーを攻めるような走りをしなくては、結局はコーナーを早く走る事は出来ないといえるのではなでしょうか。つまり、運動をする子どもに対しては、ちゃんと目的を伝えなくてはならないということですね。