雑草魂

スポーツ現場では「雑草魂」という言葉を耳にすることがしばしばある.さほどエリートでもない選手が努力と根性でトップクラスまで上り詰めたときなどに用いる言葉だろうか.踏まれても踏まれても,懲りずに這い上がってくる姿を雑草に喩えているわけだ.
4月になったばかりの頃,我が家の庭に雑草が2〜3cmだけ顔を出していた.私は何気なく,そいつ等を引き抜いたのだが,引き抜いた場所から再び芽がでて,今,この雑草達は枝を広げて,我が家の庭を侵食し続けている.色々と調べて見ると,この雑草は「スギナ」というらしい.名前の由来は杉の葉に似ているかららしい.正直言ってあまり聞いたことのない名前だったが,スギナの胞子体が「つくし」だということを知り,意外と身近な植物だということが判った.時期的にスギ花粉に悩まされているので,スギナとい名前に憎らしさが倍増である.
スギナは地下茎を広げて生息するため,地上の葉や茎を取っても繰り返し伸び続ける.したがって除去するためには根から絶たない限りは駄目らしい.まさに雑草魂だ.ところで大学に勤めていると,学閥というのだろうか,同門の先生方は結束が強くなるものだ.しかしながら私は勤務校の卒業生でもなければ,同じ大学出身の先生は他に居ない.また,スポーツで有名な選手だったわけでもない.つまり大学教員としてはまさに雑草である.私も庭のスギナのようにしっかりと根を張り足場を固め,地上の葉も広げて頑張って行きたいものである.あっ,でも周囲から憎まれないようにしなくては......


庭の芝生の中に所々,深緑色に見えるのがスギナたち.