環境により左右されるもの(2)

先日は環境がトレーニング効果を生む話をしたが,今日はディトレーニングの話.ある期間に体力トレーニングしてその効果が得られても,トレーニングを休止して時間が経過すると,トレーニング効果により向上した体力は低下をし始めて,最終的にはトレーニング前の状態に戻ってしまう.さらにトレーニングを休止し続けると,トレーニング前の状態よりも低下する場合すらある.

保育園では夕方頃には,友達と楽しく遊んでいるため,以前は迎えに行ってもなかなか帰宅したがらなかったが,最近は帰宅してからの外遊びを覚えたため,早く帰宅して自宅の周りで友達と遊ぶのを楽しみにしており,すぐに帰ってくれる.私がお迎え当番の時や,仕事が忙しくなくて早く帰宅した時などには,子守を兼ねて私も外に一緒に出て,自転車に乗る息子に足で併走したり,子ども達とサッカーをしたりする.子どもと一緒に遊ぶのはなかなかいい運動だ.
陸上が専門だった私は元来サッカーは得意ではないのだが,学齢前の子ども達とサッカーをしている時には,勿論,なかなかの名選手だ.それを見ているお友達のお母さんからは「パパはサッカー部だったの?」なんて尋ねられた.そんなわけ無いだろう.今日もそんな調子で子どもたちと遊んでいると,ハムストリングスが一瞬痙攣した.危なく子ども達の前で動けなくなるところだった.
若い時分にスポーツをしていたヒトが年をとってから同じ感覚でプレーしてしまい怪我を負うことが良くあるそうだ.原因は神経系の感覚は昔のままなのに,筋力などが衰えているために起こるなどといわれているが本当だろうか?教科書的には,神経インパルスの発射頻度など,神経系の機能も加齢に伴い低下すると言われている.また,筋の横断面積や体積も加齢に伴い低下することが言われている.よくよく考えてみると,筋横断面積や筋体積はディトレーニングの結構短い期間で低下するが,神経系の機能が加齢で低下するのは我々のような若年から中年の過程では無くて,若年から中高年・高齢にかけてだった気がする.そうすると,やはり,若いときにトレーニングされた神経系の機能(命令を発する機能)が実際に力を発揮する機能とつりあっていないことにより起こるのだろうか.
理由はよく分からないが,いずれにしても,もう昔のようには動かなく為ってしまっているのは事実である.息子が近所の子たちと同じように外遊びをこなせるようになる頃には,私の体力も若い頃に戻るのだろうか.しかし,世のお父さん方,ワザワザお金を支払ってスポーツクラブに通うよりも,子どもと外を駆け回って遊んだほうが,よっぽど身体には良いかもしれませんよ....