1時間目の講義の時間,受講生には申し訳ないが手を抜かせてもらった.ここ数日,エクストラの仕事が多すぎて,この授業用にスライドを作成する時間が作れなかった.ということで,昨日行われた千葉県生活コーディネーター研修会の講師をしたときのスライドを流用させてもらった.昨日は健康生活を目的とした内容だったのだが,今日はほぼ同じスライドで競技スポーツを中心とした内容にした.基本的には扱うものは同じで解釈や例を変えるだけである.自分的には手を抜いたのだが,学生からの評判(コメント用紙から)は上々だったのではないかと思う.
ところで,最近は講義の授業でもわざわざスライドを作成してそれを映写して行うのが一般的になっているようだ.パワーポイントと液晶プロジェクタの出現によるものであるのだが,ちょっと前には考えられなかったことだ.以前(私が大学院生の頃)には,スライドを作成するためには,パワーポイントで作成したスライドを,専用のカメラで撮影して,それをカメラ店に持っていってマウント入りのスライドにしていたものだ.
この方法は,今のようにぎりぎりまで作成してそれを映写するのとでは,費やすお金も時間も比較にならなかったものだ.当時で,24枚のスライドを作成するのにフィルム代込みで1500円くらいかかった.しかも,作成後にミスを見つけたり,発表練習で誤りをみつけたり修正の指示が入るとその都度作り直しになっていたものだ.したがって,この方法で毎週の授業を行うということはほぼ不可能であったわけだ.
では,当時はどのような方法を行っていたのかといえば,多くの先生が紙に印刷したレジメをつくり,それと黒板を使い授業をすすめていた.今とはかなり授業のスタイルが異なるということを改めて感じる.黒板に書くと時間も要するが,スライドで流すと書く手間も時間も省ける.一方で,スライドで流すと書く時間が要らないのでついつい1コマの授業での情報量が多くなりがちである.情報量が多いと言うことは一見良いことのように思えるかもしれないが,教育工学の先生方の意見によると,実は情報過多となり各講義の狙いがぼやけてしまったり,あまり頭に入らないという状況に陥ることもあるようだ.とはいえ,スライドを使えば,写真や図を示すことで,学生に対して,より具体的な内容を示すことができるし,最近では動画でも示すことすらできるわけである.
ところでウチの学生たち,私が毎回のように写真や動画を見せるものだから,簡単に出来ると思っているのだろうか,先のコメント用紙に「もっと沢山の動画を見せて欲しい」という要求を出すようになってきた.まさに飽食の時代である.