・ノート言えない日本人
月曜日午後の講義のための資料作りをTAを担当している大学院生に依頼しておりました.先週のことだったかなぁ.出来るかを確認したところ,出来るような対応だったので任せておりましたが,私の手元に届いたのは日曜日の夜中の11時過ぎ.ファイルを開いてみると,私が意図していたものとはちょっと違う感じ.多少がっかりしたものの,時間が時間だけに今から修正するのは肉体的に辛い.明日出勤後に雑用が舞い込まないことを祈りつつ,明日やることにした.
幸いにして珍しく雑用は無かったので,午後の授業に向けての資料作り.そもそも人を当てにしたのが間違いだったと反省.このような場合,結局は最初から自分でやり直さなければならなくなるわけだ.
午後にその学生が謝りに来たので,少々重い話をした.彼が依頼を断らずに作業をしてくれたことには感謝している.しかし,正直言ってあの時間に届けられるのは困る.ギリギリだと今回のように修正等が必要な場合には対応が難しくなる.今回は幸い時間をとる事ができたから良かったものの,何か用事が入っていたら授業に影響することになる.
今回の大学院生は私に,仕事を任せてもらったことで大変勉強になったこと,折角任せてもらった為に断らずにちゃんと結果を出したかった(という趣旨の)事を言ってました.しかし,大学にとって授業は学生へ対するサービス(商品)のひとつだ.従って,この内容が濃いものになるか否かは結構重要なことだ.この大学院生にとってはこの仕事をすることで勉強になったかもしれないが,結果次第では学部生への教育という目的は達成されることは無かったかもしれないのだ.TA(ティーチングアシスタント)は大学院生の教育という効果もあるのかもしれないが,あくまでの目的は学部教育の補助である.そして私が彼に任せた仕事をちゃんと成し遂げた時には私の評価もそれ相応のものになるのであろうが,成し遂げることが出来なかった時には,期待値があった分だけ過少評価することになってしまうのであろう.
そんな私も,つい数ヶ月前に恩師で前任校の教授から「お前って知らないとか出来ないとか言えないよなぁ...」と言われたばかりである.自分では特に意識していなかったが,考えてみるとそれなりのプライドを持って仕事をしていたり,相手が自分に期待を持ってくれていると思うとその期待を裏切りたくないという思いがあるのかもしれない.そしていつも締め切り当日に作業するという自転車操業な研究室になるわけであるが,相手の期待に沿うためには,依頼されてからの努力ではなくて,日々の努力が必要なのであろう.なぁ,ヤマ.