慣れ親しんだマークが変更される

先日からマスコミで報道されるようにイトーヨーカドーセブンイレブンと合併したことによりセブン&アイHLDGSという会社名になるため,お馴染みイトーヨーカドーのトレードマークであり店舗屋上に設置されている青・白・赤の鳩のマークが数字と7とiを合わせたマークに変更される.記憶を辿ると3から4歳頃から馴染んだマークだけに個人的には残念である.
学校法人の場合には合併することはマズ考えられないので,校章が変わったり,二つの学校法人のマークが合わさったりということは今のところは無いだろう.「今のところは」というのは,かつては潰れることはないと言われた学校法人も倒産する時代であるので,今のところは無いが,将来的にはわからないということである.現に国立大学の場合には,先の独立法人化により合併・消滅している.私の母校の埼玉大学も一時期は群馬大学との合併構想が持ち上がったが,卒業生としては自分の母校が無くなってしまったり,合併により別のものになってしまうというのは残念なものである.
大卒の人は特に,大学や大学の校章にアイデンティティを感じている人が多いようである.順天堂大学では殆どの学生が学内では校章や学校名の入ったジャージ等を着ているし,街に繰り出す時にもこの服装のままである.またOBの先生方の間にはネクタイやキーホルダーまで校章入りのモノを愛用する方までいる.早稲田大学の場合には,スポーツ科学部といえど,ジャージで過ごす学生はさほど多くないものの,バッグなどの持ち物には校章が入っていることが多いし,大学のある街の飲み屋では校歌を歌う集団が居たりするし,教員の飲み会でも締めは都の西北だったりした.
私の場合,何れの大学も母校ではないし,埼玉大学を卒業してからも,大学院進学や非常勤・常勤により様々な大学を経験したためか,あまり母校に帰属意識は無いような気がする.もしかしたら,その時その時に勤務している大学で,あくまでもビジネスとして働いているのかもしれない.
何校も経験して言えるのは,一言により大学といっても千差万別であるということだ.しかし,通常,大学は1校しか在籍しないので,多くの人の場合は,自分が卒業した大学が大学のイメージなのであろう.実は校風や教育プログラムそしてサービスなどは大学によって全く違っているだ.また,当然のことであるが,大学が違えば大学毎に何を提供するのか,どのような人材育成を意図しているのかが異なってくるわけであり,これは学部名が類似していても大きく異なるものである.従って入学前の人は此処まで良く調べる必要があるだろう.
今日,私があるゼミ生と話をしているときに,その学生は自分の履歴書に「順天堂大学」という名前を入れたくないと言っていた.実は彼,入学前には別の大学を希望していたのだが,不本意にも順天堂大学に入学してしまったということである.今でこそ明かすが,私も以前は自分が埼玉大学卒業であることを明かしたくない時期もあったのである.しかしながら,その後にどのような経歴を積もうが,結局のところは埼玉大学に入学して卒業したことは紛れも無い事実であるし,それにより得たメリットも無くはなかった.だから今では特にそのことを隠すこともしないし,逆に自分から明かすことにしている.何故なら,埼玉大学の質を上げる為には,受験生向けの偏差値が高くなることも重要なのかもしれないが,それと同じくらい,私を含めた卒業生が活躍して大学の名前を世間に知らしめることが重要だと考えるようになったからである.ちょうど今依頼されている原稿にも,私の経歴を記載する部分がある.私は迷わず埼玉大学卒と記載するつもりである.