普通じゃない普通

このところ月曜日が休日になることが多かったため,月曜日の行動パタンというのが身についていない.月曜日の2時限目に,私は大学院の演習を担当しているのだが,実は10分前にそのことに気付いた.しかもどうして気付いたかと言えば,この授業は教場が私の研究室である為に受講生が来たからである.教育に対するモチベーションは決して低い訳ではないが,連休が続くとどうもいけない.

ところで最近学生と接している中で,学生が発する言葉に気になるものがある.特に何でもないことなのだが,最近の大学生は「普通に」を連発する.「いや普通に....」とか「普通にやっているのだが....」など,何かとつけて「普通に」がつく.
こんなことを書くと私は既に若者の範囲を脱しているように感じる.いや脱しているのかもしれない.もしかしたら私よりも年配の先生方にしてみたら,私の話す言葉にも気になる表現や不適切な言葉があるのかもしれない.しかし,最近の「普通に」には普通の気分で居られない私である.
実はちょっと前にも実は気になる言葉があった.それは「無理」という言葉である.「無理」という言葉は,如何しても不可能であるといったニュアンスのある言葉だ.ところが,とりあえず遣りたくないことに対して「無理」という人たちが増えた気がする.これについては帰宅すると妻が使っているくらいなので,特に若者の言葉というわけでも無いのかもしれない.
若者言葉といえば,「彼氏と彼氏」,「彼女と彼女」についてもそうである.これについては私が大学生の頃くらいから,彼女(She)の場合には「カ」にアクセントがあり,彼女(Girl Friend)の場合には「ジョ」にアクセントがつく.私は結局の所,後者を使うには照れくさくてか,いつでも「カ」にアクセントをつける前者でいた.今ではそんな言葉とは無縁になってしまい,どうでも言いようになってしまった.
そして,最近自分のことを「俺」と呼ぶようになった息子についても気になることがある.「オレ」という言葉は「オ」から「レ」への音は平行のハズなのだが,息子の「俺」は「オ」にアクセントがある「オレ」である.治させることでもないので放っておいたのだが,今日保育園の送迎の際に子ども達の会話を聞いていたら,多くの子ども達が「オ」にアクセントのある「オレ」である.
アクセントといえば,私の中で拘っている発音がある.それは「先生」という言葉の前につけられる,人の固有名詞の発音である.おそらく私の周囲では,「先生」に先立つ氏の語尾を上げて発音する人の方が多い気がする.これに違和感を覚えたのは私が大学生になったころで,それまで私が育った小・中・高校では,氏の語尾をあげる習慣は無かった気がする.語尾を上げようが上げまいが,どうでもいい事なのかもしれないのだが,人の名前なので私は拘って正規の発音(何が正規かは判らぬが,先生をつけない時の発音)で発生するようにしている.名前なので.
ところで,以前,これについて同級生と論議をしたことがある.彼の主張としては,『じゃぁ,「ビデオ」は「ビ」にアクセントが来るけれど,語尾に「テープ」とか「デッキ」という言葉が来ると「オ」にアクセントが移るではないか.』というものである.もっとものような気もするが,人の名前なので,これからも私は通常の発音をします.周囲の方,あまり気にしないでください.