スポーツする習慣

私の職業はスポーツ科学の教員であり一応,スポーツ科学の研究者でもあるのだが,33歳になる現在では,私の生活の中でスポーツをする時間というのはほぼ皆無となってしまっているのが現状だ.私はスポーツ選手の動きを評価するのが仕事なので,スポーツするような場所に行くことや選手が運動する姿をみたりすることは良くあるのだが,自分では全くやらなくなってしまった.若い頃は一寸した距離だったら走って行ったり,自転車に乗っていったりしたのだが,今や移動は専ら自動車である.そしてお腹を始めとしてその影響はみるみるカラダに現れている.昨年までは非常勤で他大学の一般教養科目であるスポーツ実技の時間を担当していたので,週に一度はジャージに着替えて学生と汗を流す機会があったのだが,その仕事も昨年度一杯で辞めてしまっているため,ジャージやポロシャツはこの一年間近く,殆ど使われることなくクローゼットにしまわれてしまっている.大学で仕事をしていても,運動着に着替えることなど無くなってしまっている.
そんな中,つい先日,自宅から徒歩圏内に某テニスクラブのテニスドームなるものが出来たのである.12月オープンで最初の三ヶ月はレッスン料金が半額ということもあり,妻と共に入会してみた.大学にもテニスコートはあるのだが,タダだと滅多に使わないし,職員の方々が勤務しているのにテニスするのもチョッピリ後ろめたいものである.一方,スクールであればお金を払っているから確実に参加するだろうし,これまで自己流でやってきたので,ここら辺でちゃんと習って見るのもいいかもしれない,と思った次第である.そして本日がその第一回目であった.
久々にスポーツにより心拍数があがり,気持ちの良い汗をかいた気がする.それから,珍しく自分がコーチングを受ける立場になって思ったのだが,自分の動きを言葉で表現されてみると,意外にも自分が思っても見ない動きをしているということ,そして修正された動きを言葉で指導されても,なかなかその動きが出来ないということを実感した.これってまさに運動学なのだが,主観と客観の差異を知り,動きを修正しようにも自分の身体というものを,コントロールしようにもコントロールしきれず,さらにそれが,動作が素早く成れば成るほどに困難になるわけである.
何気なく,ただ運動不足を感じ,もうちょっとテニスを上手くなれればと感じて参加したテニススクールであったが,意外にも自分の教育や研究に多いに役立ちそうである.ところで,徒歩圏内(700m)の距離に出来たテニスコートへ運動しに行くのに,到着してからクルマで行っていた自分に気付きました.運動不足解消には,まずここら辺から改善する必要がありそうだ.