金銭感覚

午後に無線システムを使って,ランナーが屋外を走行してる時の下肢筋電図を測定するという内容の実験を行った.先日業者が届けたリード線が,私が発注していたものよりも短かったために,実験中に断線するという事故が発生した.これで1本12000円のリード線は終わりである.僅か1日の運命であった.
もちろん,このような事態は,実験していて日常茶飯事というわけではない.しかしながら,私もそして手伝ってくれていた学生たちも,さほど驚かない感じであった.というのも,同業者の方ならご存知でしょうが,私の専門分野では,使用する研究機器の価格はクルマを購入することができるような値段であるために,12000円というのがさほど高いという感覚がなくなってしまっているのである.現に,無線システム本体の価格は300万円である.とはいえ,やはり断線しないに越したことは無く,無駄な出費は極力抑えたいのは,ラボマネージャーの胸のウチである.そして断線したりすれば,新しい品が手元に届くまでの間,実験は空白となることもあるので,このような事故は極力抑えたいというのが研究者としての胸のウチである.さらに,研究費は公金であるので浪費は厳禁である.ところで私自身の給与といえば世間並み(?)であるために,これが自費であったとすれば,とんでも無いことである.