朝イチからのゼミナールでは,卒論生が書いた文章を昨日配布しておき全員で読んで意見を言い合うということやった.この数週間,私のゼミナールではこの作業を週に何回か繰り返している.卒論生全員が論文を出すと時間内には終了しないので,毎回の提出者を順番で決めているようである.(「ようである」というのは大学院生がマネージャーとなってこの会を取り仕切っているのでである.)ところが,ここのところ,前回とは変わらないから,分析が間に合わなくて文章が書けていないからなどという理由で,前日キャンセルや交代が目立つようになってきた.予め決めたのであれば,何としてでもその時間を有効に利用できるように準備する,私としてはそんな気持ちで取り組んでもらいたいと思うし,それに合わせて準備や卒論作成が出来ないようであれば,始めからこんなイベントを行わない方がましだからである.

以前も書いたが,水曜日は朝から予定が目一杯入っている.午後は実験実習,夕方は会議,そして今日は私の研究室の向いの部屋に招聘教授として海外から来ていた先生の(内輪の)送別会が開催されたため,一日があっという間に過ぎてしまった.この先生,僅か3週間の滞在だったためか,あまり話をする機会が無かったが,何だか私と似たようなスタンスで研究している気がした.勿論,業績や地位は彼の方が高く,天と地ほどの差だが.

少し前の話だが,新しいiPod shuffleを購入した.購入はしたものの,開封する時間が無くてそのままになっていたのを開封して使って見た.今度のshuffleはiPodのチューナー付きリモコンとサイズや形がほぼ同じであるのだが,本体に相当するものが無くても音楽が聴ける.ジョギングする習慣のある人など,アクティブな人には最適な作りだ.結局のところ,このようなユーザーには液晶ディスプレイは必要ないし,USBメモリの役割も必要ないというコンセプトなのだろう.実に合理的でいい作りだと私は思う.
今から20年ほど前の私が中高生の頃,夜ジョギングする習慣があった私は,当時最小最軽量と言われたソニーウォークマンをジャージのポケットに入れて走ったものだが,最小最軽量とは言っても非常に重くてジャージのパンツがずり落ちそうになりながら走っていたものだ.今や携帯型オーディオは形もメディアも様変わりし,とてもスポーツに適したものになった.携帯型オーディオが様変わりしたのと合わせて,私の生活習慣も様変わりし,今ではこの Shuffleを活用する場も無いくらいにエクササイズをする習慣がなくなってしまった.そして携帯型オーディオが小型になった一方で,私の体型は高校入学時から比べると体重が26キロも増え,大きくなってしまった.
ところで,iPod nanoに至っては,ジョギングに関するデータを管理するシステムまでが登場した.これってスポーツ科学の研究者が共同開発したらもっともっといいものが出来るはずなんだけれど,と思っているのは私だけだろうか.大学の就職課の職員の方と話をしていると,体育系大学の割りに,専門職に就く学生が少ないということがよく話題にでる.実際には就く事が難しいわけだが,nanoの例のように,世間は意外とスポーツ科学が生かされている.では何故専門分野を生かした就職が困難かといえば,大学において専門知識や技術を身につけている学生が少ないからだと私は考える.多くの体育系大学がそうだと思うのだが,学生達の多くはスポーツは専門的にやるものの,専門的に学ぶことを敬遠する傾向にある.特に,その授業時間内以外に課題のでる私の科目などは評判が悪く,履修者も少ない状態だ.しかし,専門知識を持つことを買ってもらって,専門分野を生かして就職するということは,当然,専門知識をもって卒業する必要がるわけなのだが,学生の多くはこのような実習系の科目は手間と時間がかかる為にやりたがらない.それならば専門分野に就職することなんかできるわけがないのである.