GWでほぼ,いや全く仕事にならなかった為に,ここに来て1つ1つの仕事の負荷が休み前よりもキツク感じている.
昨日と今日の二日間で90分の授業を3つこなしたのだが,特に講義の授業はカラダに響く.
火曜日の9時(1時限目)からの「バイオメカニクス講義」では,1)身体重心とは何か?,2)トルクについて詳しく,3)垂直跳びのバイオメカニクス,4)本に書いてあるからといって騙されるな!という4本立てで話をした.1)から3)の内容はそれぞれ独立しているのではなくてリンクしているし,教科書的な内容である
4)は時間が余った場合にやろうと思っていたのだが,(毎回学生に書かせている)授業の感想には意外にも4)の内容が多かった.
ということで4)の内容についてここで紹介する.最近,スポーツ科学に関する書籍や雑誌の記事は多々存在する.それ自体はスポーツ科学の発展のためにはいいことなのだが,問題はその内容である.体育・スポーツ系の大学院の修士課程を修了しましたとか,「スポーツトレーナー」という肩書きを名乗ったり,「治療院」を開業しているというような怪しい人物が,専門用語を並べてた本を書いていたりするのだが,実際にそれらをちゃんと言葉を追って読んでいくと,何だかよくわからないことを書いてあることが多い.例えば,専門用語(?)を説明する文章なのに,その言葉自体を用いて説明していたり,専門用語の説明に,また別の専門用語を使っていたりする.他にもバイメカ的な用語を使っているものの,言葉の意味を平気で間違えて使っていたり,実際にカラダを動かしながら読んでみると,そんな動作は出来るはずがないような動作を理想の動作だと説明していたりするわけである.
授業では,これらの書籍の文章を抜粋して追っていき,間違いを指摘したのだが,その内容に対して,「私も怪しいと思って読んでました.」とか「信じてしまっていました.危なかったです.」といった内容が多かったのだが,意外にも,「本人がいいと思って書いているんだからいいんじゃないの?」という意見もあった.確かに,本人が満足する分にはそれでいいと思うし,場合によっては本人が恥をかくだけであれば問題ないのだが,問題はこれから勉強しようと思っている人が,その本をお金を支払って購入してしまうということだと思う.ということで,騙されないためにも,ちゃんとした知識をもって,購入する前に間違っていないかを判断することやそれが出来る能力ってのが必要なのだろう.
私も雑誌や本などを書く立場としては気をつけなくては.....