インパクトファクター

先日の大学院修了式では、理事長の祝辞においてImpact Factor (IF)が話題にあがった。ちなみに、アトピーを専門に研究している理事長の IF は1000を超えるそうである。祝辞ではIFを狙うことの重要性や、一番高いものはNatureでというお話がされた。 
私の勤務する大学は医学部がメイン(といったら叱られそうだが)なので,大学の行事や人事などでは度々そのような話題になる。とはいえ、私たちが専門とするスポーツ科学では、IF のカウントされる論文(ジャーナル)なんて限られており、特に文系の教員もいるので研究業績としてあげる論文にはIFが付かないものの方が多いくらいである。
今日の研究室での抄読会、学生からはIFの王者ともいえるNature の記事が紹介された。タイトルは「Foot strike patterns and collision forces in habitually barefoot versus shod runners」 へぇ.......... 昔はバイオメカニクスでも Nature に載るのが有ったけれど、最近は正直言って無縁のジャーナルになってしまった気がしていた。ちなみに、最近よく読むClinical Biomechanics のIFはたったの1.3である。NatureってのはゲノムとかIPSみたいにヒトの命に関わる分野とか、宇宙研究みたいな世の中を変えるような分野の論文しか載らないのかと思っていた。だから、この論文を見たときの感想は「まさに我々の専門とする分野の論文だ、Nature になんて載るんだ。」って感じ。で、論文の中身をを読むと研究としての精度の高さと目のつけ処が良い論文だと感じた。Nature とは言わないが、頑張らなくてはなと感じた訳である。ところで、紹介してくれた学生の抄録、Nature が評価している内容とはズレたことが結論として挙げられていた。こちらはまだまだ読解力を向上させなくてはならないようである。