勤務先のキャンパス内に新築された研究所の竣工式が行われた.大学の幹部級の大先生方が中心の竣工式に,一番下っ端の私が,場違いともいうべき感じで出席した.竣工式ってのは神式らしく,会場に入ってお清めするところから始まって神式の結婚式のような感じで進められていく.そもそも私は無信教だし,このような会には不慣れなので,不安を感じながら隣席の教授にそういうと,「俺だって良く分からないよ。こういうの初めてだよ.」と伝えられ安心.そういえば二人とも初めてではないはずだ,約一年前の着工の際にも同じ会場で同じような会をやったもの.....とりあえず二人とも慣れていないのは確かだ.さぁ、これで言い訳は通用せず,研究成果を求められてしまうわけだ....大変だ.でもコンピュータを買い換えるのと同じで,新しいパワフルなマシンに変えたとしても,環境を整えて使いこなせるまでに時間がかかってしまうものだ.今回はそうこうしている間に期限が来てしまいそうだ.

会の後の懇親会では,来賓の方々からの挨拶が続いた。しかし,研究所の竣工式の懇親会なのに挨拶に出てくる話題は箱根駅伝のことばかり.箱根駅伝は私の勤務校では看板的行事だし、その総監督である大先生が会場にいるので当然といえば当然だが,挨拶した来賓の方々は完成した研究所で誰が何を研究するかということよりも箱根駅伝の方が興味深かったようである.もしかしたら,会場に居た先生方の間には私と同じことを思った方も居たのではないだろうか.
まるで箱根駅伝の壮行会のような懇親会が終わり,会場を後にする総監督大先生と私の目が合った時に,「君はまた太ったね。朝練習に来ないからだよ。朝練習に来なさい...」と声をかけられた。私は陸連の科学委員だし,大学のスタッフであるので朝練習での駅伝選手の激励は当然といえば当然のようにも思うのだが、大先生の言葉は私にも走れと言っているようにも取れた(そんなわけはないだろうが...).が、せっかくのお誘いで申し訳ないが,今の私には不可能です.(理由はそのうちこのページで紹介すると思うが)でも私も箱根駅伝は大好きですので,毎年お正月はテレビで応援を欠かさずしております.選手の学生諸君、頑張って下さい.